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執筆者の写真takuya matsumoto

腕の前外側の痛みは危険のサイン②


はじめに

前回は、肩関節周囲炎の最初の段階である「炎症期」について解説しました。今回は、炎症期から徐々に移行していく「拘縮期」に焦点を当て、痛みとの付き合い方や、機能回復のための具体的な方法についてご紹介します。


 

目次


1.拘縮期とは?


拘縮期とは、肩関節周囲の組織が硬くなり、肩の動きが制限されてしまう時期です。炎症期に比べ痛みは落ち着いてきますが、代わりに肩が思うように動かなくなることが特徴です。まるで肩が凍りついたように感じるため、「凍結肩」と呼ばれることもあります。

この期間の特徴として、痛みの閾値が著しく低下することが挙げられます。これは、ごくわずかな刺激でも痛みを感じやすくなることを意味しています。

例えば、今まで8の強さの刺激で痛みを感じていたものが、2の刺激で痛みを感じてしまうような状態です。


2.炎症が残っている拘縮期


拘縮期に移行したばかりの頃は、まだ炎症が残っている場合があります。この状態では、痛みを伴う中で徐々にストレッチを行う必要がありますが、炎症が悪化しないように注意が必要です。

  • 炎症と拘縮の痛みを見分ける

    • ストレッチ中の痛み:拘縮の痛みはストレッチをやめるとすぐに治まりますが、炎症の痛みはその後もズキズキと続きます。

    • 夜間痛:炎症が残っていると、夜間に痛みが強まることがあります。

  • ストレッチの注意点

    • 痛みを感じたら無理せず強度を下げましょう。

    • 想定の範囲外の強い痛みは防御性収縮を助長し拘縮の進行を助長する可能性が指摘されています


3.炎症が落ち着いてきている拘縮期


炎症が落ち着いてくると、積極的に肩を動かしていくことが大切になります。よく医療機関でどんどん動かしてくださいね〜と言われるのはこの時期からとなります。それで悪化する人がいるのは炎症が残っているのをしっかりと判別できていないからと言えますね。

  • 痛みとの付き合い方

    • 痛みを感じても、我慢できる範囲であれば動かすようにしましょう。

    • ストレッチ後も痛みが残る場合は、強度が強すぎる可能性があります。

  • 運動療法

    • 可動域訓練:肩の動きを徐々に広げていきます。

    • 筋力トレーニング:動かせていない間に低下した肩周りの筋肉を強化します。


4.治療期間と注意点


拘縮期の治療期間は、個人差が大きく、数ヶ月から1年以上かかることもあります。

  • 機能低下のリスク

    • 長期間肩を動かせないことで、肩周りの筋肉が衰え、他の部位に負担がかかる可能性があります。

  • 早期治療の重要性

    • 拘縮が進行する前に治療を開始することが大切です。

  • ストレッチの強度

    • 拘縮が進行してしまった場合(炎症が落ち着いていれば)積極的に動かしていく必要があります。


5.まとめ


拘縮期は、痛みと闘いながら、少しずつ肩の機能を取り戻していく時期です。焦らず、専門家の指導のもと、適切な治療を行いましょう。

【セルフケアのポイント】

  • 冷えに注意し、肩を温める(炎症期が収束している方に限る)

  • 正しい姿勢を心がける(幹部へのストレスを減らす)

  • 規則正しい生活を送る(自律神経を安定させ筋緊張のコントロールをする)

【専門家への相談】

  • 痛みや動きの制限が強い場合は、早めにご相談ください。


最後に

拘縮期は、決して諦める必要はありません。適切な治療とリハビリテーションを行うことで、必ず改善が見られます。反対にこれで治らなければそれは肩関節周囲炎以外の別の要因が潜んでいる可能性が高いです。それに関してはまた後日書いていきたいと思います。

この記事が、肩や腕の痛みを持つ方の悩み解決の一助となれば嬉しく思います。



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